ChromeOSの軽快さとMX Linuxの柔軟性を組み合わせた最強のデュアルOS環境を、無料で構築する方法をご紹介します。

僕自身、この方法を実践してみて、驚くほど快適なパソコン環境を手に入れることができました。

ChromeOSの高速起動とクラウド連携、MX Linuxの豊富なソフトウェアと自由度の高いカスタマイズ性。

これらを1台のマシンで使い分けることで、作業効率が格段に向上し、様々なニーズに対応できるようになりました。

本記事では、この魅力的なデュアルOS環境の構築方法を、初心者の方にも分かりやすく解説していきます。

コストをかけずに最新のテクノロジーを活用したい方、パソコンの可能性を最大限に引き出したい方は、ぜひ最後までお読みください。










ChromeOSの概要


ChromeOSは、Googleが開発したLinuxベースのオペレーティングシステムです。

主にウェブブラウザを中心に設計されており、クラウドベースのアプリケーションやサービスを利用することを前提としています。

ChromeOSの主な特徴:


  • 高速起動: 平均して約10秒で起動が完了します。

  • 軽量: 必要最小限のリソースで動作するため、低スペックのマシンでも快適に使用できます。

  • セキュリティ: サンドボックス化された環境で動作し、自動更新機能により常に最新のセキュリティを維持します。

  • クラウド連携: Google DriveやGoogle ドキュメントなど、Googleのサービスとシームレスに連携します。

  • Android/Linuxアプリ対応: 多くのChromebookでAndroidアプリやLinuxアプリを実行できます。



Playストアから androidアプリをインストール



ChromeOSは主にChromebookと呼ばれる専用ハードウェアにプリインストールされて提供されますが、正規のChromeOSを外部メディアにインストールすることで、既存のPCをChromebook化することも可能です。

正規ChromeOSを外部メディアにインストールしてChromebook化を活用する意義


既存のPCをChromebook化することには、以下のような大きな意義があります:

  1. コスト削減: 新しいChromebookを購入せずに、手持ちのPCでChromeOSの恩恵を受けられます。

  2. ハードウェアの有効活用: 古いPCや低スペックのマシンを再利用できます。

  3. デュアルブート環境の構築: 既存のOSと共存させることで、用途に応じてOSを使い分けられます。

  4. 最新のChromeOS機能へのアクセス: 正規のChromeOSを使用することで、常に最新の機能やセキュリティ更新を受けられます。

  5. 学習と実験: ChromeOSの仕組みや特徴を深く理解する機会になります。



6000円で購入したPCに正規のChromeOSをインストール



brunchを利用して正規ChromeOSを外部メディアにインストールしてChromebook化する方法


ここでは、LinuxとBrunchを使用して、正規のChromeOSを外部メディアにインストールする手順を詳しく解説します。

準備するもの:

- LinuxがインストールされたPC または LinuxのbootableUSBを作成LinuxMint推奨)

僕は普段から使っているMX Linuxを利用しましたが、うまくいきました。

- 16GB以上のUSBメモリまたは外付けSSD

- インターネット接続

手順:

  1. ChromeOS本体イメージのダウンロード
  2. Brunchのダウンロード: GitHubからBrunchの最新版をダウンロードします。
  3. install.shのダウンロード: linuxのツールのインストールから始まるのでBrunchの中のファイルから直接起動してもうまくいきません
  4. イメージの展開: ダウンロードしたイメージを展開します。
  5. ChromeOSのインストール: USBメモリまたは外付けSSDを接続し、ChromeOSをインストールします。
  6. ブート設定: PCのBIOS/UEFIの設定を変更し、作成したメディアから起動するように設定します。
  7. 初期設定: ChromeOSが起動したら、画面の指示に従って初期設定を完了させます。


上記の手順により、正規のChromeOSを外部メディアにインストールし、利用することができます。

僕は、64GBのUSBメモリにChromeOSをインストールして、USBメモリから起動していますが、快適に利用できています。

では、一つずつ詳しく見ていきましょう

ChromeOS本体イメージのダウンロード


下記のどちらからかChromeOS本体をダウンロードします。


Chrome100 is a directory of recovery images for Google's operating system Chrome OS.



先人の解説によると、

CPUによってダウンロードするもの(Codename)が違うのだそうです。

Core i 第4世代以降なら"rammus"

Core i 第2世代・第3世代なら"samus"

AMDなら"grunt"

と書いていますが、あまり信じないほうがいいです。

自分のPCのCPUを調べて、そのCPUを使用しているChromebookが採用しているChomeOSをダウンロードするのが一番いいと思います。

それには、ChromebookのDevice Namesを一覧にしてくれている Chrome100を最初に利用するほうがいいです。

僕のPCはCeleronの3955UをCPUに採用していたので、AIのCopilotで、このCPUを採用しているChromebookをリストアップしてもらいました。

残念ながら、Celeron 3955Uを使っているChromebookはありませんでしたが、3867Uを採用しているものを見つけることができました。

それが、AOpen Chromebox Commercial 2、Newline Chromebox A10 だったので、検索窓から fizz を入力、結局 fizz jax をダウンロードしました。

これ以外は、うまくいきませんでした。

zipで圧縮されているので解凍しておきます。




Brunchのダウンロード


ChromeOS起動のために必要です。

下記からダウンロードして解凍しておきます。

Boot ChromeOS on x86_64 PC - Supports Intel CPU/GPU from 8th gen or AMD Ryzen - sebanc/brunch
最新版で問題ないと思います。

install.sh のダウンロード


install.sh は、今回のようにChromeOSと他のLinuxなどとのマルチブート環境を構築するには、あえて必要ありませんでした。

ここからダウンロードします。

右クリックして保存してください。

install.shの内容です。

#!/bin/sh # SUBSCRIBE to How To Guys on youtube for more such videos https://www.youtube.com/c/HowToGuys
sudo apt-get update
sudo apt-get install figlet
sudo apt-get install pv
sudo apt-get install cgpt
sudo figlet -c "SUBSCRIBE TO"
sudo figlet -c How To
sudo figlet -c Guys
sudo echo https://www.youtube.com/c/HowToGuys
sudo bash chromeos-install.sh -src rammus_recovery.bin -dst /dev/sda

僕は、YouTube関連の部分はコメントアウトして使いました。

必要なファイル


必要なファイルは下記の反転したものになります。




install.sh が反転していますが必ずしも必要ではありません。

ChromeOSのzipを展開すると

"chromeos_15393.58.0_rammus_recovery_stable-channel_mp-v3.bin"

のようなファイル名になってるのでrammusでなくても

"rammus_recovery.bin"

にファイル名を変更してください。(このあと、ターミナルからコマンドで書き込みをするので、短いファイル名にしましたが、あえて必要ないです。)

インストールメディアの確認


あとは、ターミナルから install.sh を実行するだけなのですが、内部ストレージのWindowsを上書きしなように最終確認をします。

外付けドライブまたは2番目以降のドライブにインストールする場合はそのドライブがsdaなのかsdbなのかsdcなのかをかならず確認してください。

これをしっかりやらないと既存のシステムを上書きする可能性があります。

ターミナルから"lsblk"のコマンドで確認するか、僕は、念の為 gparted からも確認しました。

僕がインストールした外付けのUSBメモリは /dev/sdc でした。

外付けドライブは起動のタイミング?によって変わるので毎回確認したほうがいいです。

ファイルマネージャでコピーしたファイルのあるフォルダを開く。

インストールするドライブがsdaではない場合はinstall.shの編集が必要です。

最終行のsdaをインストールするドライブに応じてsdb,sdcと必ず書き換えましょう。

ChromeOSのインストール


linuxmint(僕は MX Linuxを使いました) の適当なディレクトリにBrunch Frameworkをダウンロードし展開したと思います。私が落としてきたのはBrunch r128 stable 20240921なので、

tar xvzf brunch_r128_stable_20240921.tar.gz

のように展開します。

または、ファイル名をクリックしただけで、展開できると思います。

次に、Chrome OSのリカバリイメージを落とします。ダウンロードしたzipファイルは先程Brunch Frameworkを展開したディレクトリに展開します。

unzip chromeos_15964.59.0_fizz_recovery_stable-channel_mp-v17.bin.zip

または、ファイル名をクリックしただけで展開できると思います

2GB以上の結構大きなファイルなので展開には時間がかかると思います。

気長に待ちましょう。

この時点でBrunch Frameworkを展開したディレクトリには、 chromeos-install.sh
chromeos_15964.59.0_fizz_recovery_stable-channel_mp-v17.bin
efi_legacy.img
efi_secure.img
rootc.img

が入ってるはずです。

これで必要なファイルは揃ったので、インストール先のパーティションを用意します。インストール先となるパーティション(例えば /dev/sdc4)を例えば/mnt/chromeosにマウントします。 sudo mkdir /mnt/chromeos

sudo mount /dev/sdc4 /mnt/chromeos

マウントしたらいよいよインストールです。Brunch Frameworkを展開したディレクトリで、次のコマンドを実行します。

sudo apt-get update

sudo apt-get install cgpt pv

sudo bash chromeos-install.sh -src chromeos_15964.59.0_fizz_recovery_stable-channel_mp-v17.bin -dst /mnt/chromeos/chromeos.img -s サイズ[GB]

chromeos_15964.59.0_fizz_recovery_stable-channel_mp-v17.bin を rammus_recovery.bin にリネームしていれば rammus_recovery.bin に置き換えてください。

サイズ[GB]にはインストール先となるパーティションのサイズより少し小さい値をGBを単位として指定します。すでにcgptとpvがインストールされてる場合にはapt-getのコマンドラインは不要です。

これで、/mnt/chromeos/chromeos.imgにChromeOSのディスクイメージが書き込まれます。

以下、ChromeOSを実際にインストールしている様子を掲載しました。




後は、インストールが終了するのを待つだけです。

インストールが終わると、メッセージの最後の方に、grub menuentryの記述があるので、コピーして grub.cfg 追加します。

*************** grub menuentry ***************


以下省略


このファイルは、GRUBのメニューエントリに Chrome OSを追加するための設定ファイルです。

これらを、MX Linuxやlinuxmintを起動させている、grub.cfg に追加すれば、ChromeOSとMX Linuxマルチブートの完成です。

ブート設定


PCのBIOS/UEFIの設定を変更し、作成したメディアから起動するように設定します。

初期設定


ChromeOSが起動したら、画面の指示に従って初期設定を完了させます。







写真のPCがFujitsuになったりNECになってりしていますが、実は両方でChromeOSを楽しんでいます。

Fujitsu のChromeOSのイメージは fizz NECの方は rammus です。

僕がChromeOSをインストールしたUSBメディアです。

コンピュータに挿しっぱなしで使っています。



もし、少しお金がかけられるなら外付けの小さなSSDがお勧めです。



Chrome OSとMX Linuxをマルチブートする方法のまとめ


ChromeOS と同じUSBメモリにインストールしたMX Linux



ChromeOSとMX Linuxのマルチブート環境を構築するには、以下の手順を踏みます:

  1. パーティションの準備
    • ディスクの空き領域を確保し、新しいパーティションを作成します。

  2. MX Linuxのインストール
    • MX LinuxのISOイメージをUSBメモリに書き込み、インストールを実行します。

    • GRUBブートローダーをインストールします。

  3. ChromeOSのインストール
    • 前述のbrunchを使用して、ChromeOSをUSBメモリの別のパーティションにインストールします。

  4. ブートローダーの設定
    • MX LinuxのGRUBにChromeOSのエントリーを追加します:
      sudo nano /etc/grub.d/40_custom
  5. GRUBの更新
    sudo update-grub
  6. 再起動と動作確認
    • システムを再起動し、ブートメニューからOSを選択できることを確認します。



ChromeOSとその短所を補うMX Linux活用方法


ChromeOSとMX Linuxを組み合わせることで、それぞれの長所を活かしつつ、短所を補完することができます。



ChromeOSの活用:


  • ウェブブラウジングや軽量な作業
  • クラウドベースの生産性アプリケーション(Google ドキュメント、スプレッドシートなど)
  • Androidアプリの利用


MX Linuxの活用:


  • 高度なソフトウェア開発
  • グラフィックデザインや動画編集
  • ローカルでの大容量データ処理
  • カスタマイズ性の高い環境設定


使い分けの例:


  1. 日常的な作業: ChromeOSを使用して、高速起動とクラウド連携を活用。

  2. 専門的な作業: MX Linuxで、必要な専門ソフトウェアを利用。

  3. オフライン作業: MX Linuxでローカルファイルを管理し、必要に応じてChromeOSと共有。



この組み合わせにより、軽快さと柔軟性を兼ね備えた理想的な作業環境を構築できます。






サクッとまとめると


*まとめ
ChromeOSとMX Linuxのマルチブート環境は、現代のデジタルライフに最適な選択肢の一つです。

ChromeOSの軽快さとクラウド連携、MX Linuxの柔軟性と豊富なソフトウェアエコシステムを組み合わせることで、多様なニーズに応える強力な作業環境を構築できます。

この方法を実践することで、以下のメリットを享受できます:

  1. コスト効率の良いハードウェア活用
  2. 用途に応じた最適なOS選択
  3. クラウドとローカル、両方の利点を活かした作業効率の向上
  4. 最新のテクノロジーと従来のソフトウェアの両立


ただし、この設定には技術的な知識と慎重な操作が必要です。

初心者の方は、十分な調査と準備を行ってから挑戦することをお勧めします。

また、重要なデータは必ずバックアップを取っておくことが大切です。

ChromeOSとMX Linuxのマルチブート環境は、テクノロジーの可能性を最大限に引き出したい方、コストを抑えつつ高機能な環境を求める方にとって、非常に魅力的な選択肢となるでしょう。

ぜひ、自分のニーズに合わせてカスタマイズし、理想的なデジタルワークスペースを作り上げてください。