近年、Windows10のサポート終了が迫る中、多くのユーザーが新しいオペレーティングシステムの選択に頭を悩ませています。そんな中、ChromeOSは非常に魅力的な選択肢として浮上しています。

軽量で高速、さらにセキュリティ面でも優れた特性を持つChromeOSは、特にクラウドサービスとの相性が抜群です。

本記事では、ChromeOSの概要からその活用法、さらには外部メディアへのインストール方法まで、詳しく解説します。

これを読めば、あなたのPCをWindows10を残したままで、Chromebookに変える方法がわかり、快適なデジタルライフを手に入れることができるでしょう。







USBメモリからChromeOSを起動



ChromeOSの概要


ChromeOSは、Googleが開発したオペレーティングシステムで、主にウェブアプリケーションを利用することを目的としています。

以下はChromeOSの主な特徴です。

  • 高速起動: 平均して約10秒で起動が完了します。

  • 軽量: 必要最小限のリソースで動作するため、低スペックのマシンでも快適に使用できます。

  • セキュリティ: サンドボックス化された環境で動作し、自動更新機能により常に最新のセキュリティを維持します。

  • クラウド連携: Google DriveやGoogle ドキュメントなど、Googleのサービスとシームレスに連携します。

  • Android/Linuxアプリ対応: 多くのChromebookでAndroidアプリやLinuxアプリを実行できます。

これらの特徴により、ChromeOSは特にオンライン業務や教育現場での利用に適しています。

ChromeOSを活用する意義


ChromeOSを利用することには多くの利点があります。

特に、以下の点が挙げられます。

  1. コスト削減: 新しいChromebookを購入せずに、手持ちのPCでChromeOSの恩恵を受けられます。
  2. ハードウェアの有効活用: 古いPCや低スペックのマシンを再利用できます。
  3. デュアルブート環境の構築: 既存のOSと共存させることで、用途に応じてOSを使い分けられます。
  4. 最新のChromeOS機能へのアクセス: 正規のChromeOSを使用することで、常に最新の機能やセキュリティ更新を受けられます。
  5. 学習と実験: ChromeOSの仕組みや特徴を深く理解する機会になります。

これらの理由から、ChromeOSは多くのユーザーにとって魅力的な選択肢となっています。

公式ChromeOSを外部メディア(USBメモリ)にインストールする方法


ChromeOSを外部メディアにインストールすることで、既存のPCをChromebook化することが可能です。

以下はその手順です。

準備するもの


  • LinuxがインストールされたPCまたはLinuxのbootableUSB(LinuxMint MX Linux推奨)

  • 16GB以上のUSBメモリまたは外付けSSD

  • インターネット接続


インストール手順


1. ChromeOS本体イメージのダウンロード: ChromeOSのリカバリイメージをダウンロードします。

2. Brunchのダウンロード: GitHubからBrunchの最新版をダウンロードします。

3. install.shのダウンロード: 必要なスクリプトをダウンロードします。

4. イメージの展開: ダウンロードしたイメージを展開します。

5. ChromeOSのインストール: USBメモリまたは外付けSSDを接続し、ChromeOSをインストールします。

6. ブート設定: PCのBIOS/UEFIの設定を変更し、作成したメディアから起動するように設定します。

7. 初期設定: ChromeOSが起動したら、画面の指示に従って初期設定を完了させます。

これにより、手持ちのPCをChromebookとして活用することができます。

ここでは、LinuxとBrunchを使用して、正規のChromeOSを外部メディアにインストールする手順を詳しく解説します。

僕は、普段使っているLinux MX Linuxを使って、64GBのUSBメモリにChromeOSをインストールしました。

このUSBメモリからChromeOSを起動していますが、快適に利用できています。

では、一つずつ詳しく見ていきましょう

ChromeOS本体イメージのダウンロード


下記のどちらからかChromeOS本体をダウンロードします。


Chrome100 is a directory of recovery images for Google's operating system Chrome OS.



先人の解説によると、

CPUによってダウンロードするもの(Codename)が違うのだそうです。

Core i 第4世代以降なら"rammus"

Core i 第2世代・第3世代なら"samus"

AMDなら"grunt"

と書いていますが、あまり信じないほうがいいです。

自分のPCのCPUを調べて、そのCPUを使用しているChromebookが採用しているChomeOSをダウンロードするのが一番いいと思います。

それには、ChromebookのDevice Namesを一覧にしてくれている Chrome100を最初に利用するほうがいいです。

僕のPCはCeleronの3955UをCPUに採用していたので、AIのCopilotで、このCPUを採用しているChromebookをリストアップしてもらいました。

残念ながら、Celeron 3955Uを使っているChromebookはありませんでしたが、3867Uを採用しているものを見つけることができました。

それが、AOpen Chromebox Commercial 2、Newline Chromebox A10 だったので、検索窓から fizz を入力、結局 fizz jax をダウンロードしました。

これ以外は、うまくいきませんでした。

zipで圧縮されているので解凍しておきます。




Brunchのダウンロード


ChromeOS起動のために必要です。

下記からダウンロードして解凍しておきます。

Boot ChromeOS on x86_64 PC - Supports Intel CPU/GPU from 8th gen or AMD Ryzen - sebanc/brunch
最新版で問題ないと思います。

install.sh のダウンロード


install.sh は、今回のようにChromeOSと他のLinuxなどとのマルチブート環境を構築するには、あえて必要ありませんでした。

ここからダウンロードします。

右クリックして保存してください。

install.shの内容です。

#!/bin/sh # SUBSCRIBE to How To Guys on youtube for more such videos https://www.youtube.com/c/HowToGuys
sudo apt-get update
sudo apt-get install figlet
sudo apt-get install pv
sudo apt-get install cgpt
sudo figlet -c "SUBSCRIBE TO"
sudo figlet -c How To
sudo figlet -c Guys
sudo echo https://www.youtube.com/c/HowToGuys
sudo bash chromeos-install.sh -src rammus_recovery.bin -dst /dev/sda

僕は、YouTube関連の部分はコメントアウトして使いました。

必要なファイル


必要なファイルは下記の反転したものになります。




install.sh が反転していますが必ずしも必要ではありません。

ChromeOSのzipを展開すると

"chromeos_15393.58.0_rammus_recovery_stable-channel_mp-v3.bin"

のようなファイル名になってるのでrammusでなくても

"rammus_recovery.bin"

にファイル名を変更してください。(このあと、ターミナルからコマンドで書き込みをするので、短いファイル名にしましたが、あえて必要ないです。)

インストールメディアの確認


あとは、ターミナルからインストールコマンドを実行するだけなのですが、内部ストレージのWindowsを上書きしなように最終確認をします。

外付けドライブまたは2番目以降のドライブにインストールする場合はそのドライブがsdaなのかsdbなのかsdcなのかをかならず確認してください。

これをしっかりやらないと既存のシステムを上書きする可能性があります。

ターミナルから"lsblk"のコマンドで確認するか、僕は、念の為 gparted からも確認しました。

僕がインストールした外付けのUSBメモリは /dev/sdc でした。

外付けドライブは起動のタイミング?によって変わるので毎回確認したほうがいいです。

ファイルマネージャでコピーしたファイルのあるフォルダを開く。

インストールするドライブがsdaではない場合はinstall.shの編集が必要です。

最終行のsdaをインストールするドライブに応じてsdb,sdcと必ず書き換えましょう。

ChromeOSのインストール


linuxmint(僕は MX Linuxを使いました) の適当なディレクトリにBrunch Frameworkをダウンロードし展開したいと思います。

僕がダウンロードしてきたのはBrunch r128 stable 20240921なので、

tar xvzf brunch_r128_stable_20240921.tar.gz

のように展開します。

または、ファイル名をクリックしただけで、展開できると思います。

次に、Chrome OSのリカバリイメージを落とします。ダウンロードしたzipファイルは先程Brunch Frameworkを展開したディレクトリに展開します。

unzip chromeos_15964.59.0_fizz_recovery_stable-channel_mp-v17.bin.zip

または、ファイル名をクリックしただけで展開できると思います

2GB以上の結構大きなファイルなので展開には時間がかかると思います。

気長に待ちましょう。

この時点でBrunch Frameworkを展開したディレクトリには、

chromeos-install.sh
chromeos_15964.59.0_fizz_recovery_stable-channel_mp-v17.bin
efi_legacy.img
efi_secure.img
rootc.img

が入ってるはずです。

これで必要なファイルは揃ったので、インストール先のパーティションを用意します。インストール先となるパーティション(例えば /dev/sdc4)を例えば/mnt/chromeosにマウントします。 sudo mkdir /mnt/chromeos

sudo mount /dev/sdc4 /mnt/chromeos

マウントしたらいよいよインストールです。Brunch Frameworkを展開したディレクトリで、次のコマンドを実行します。

sudo apt-get update

sudo apt-get install cgpt pv

sudo bash chromeos-install.sh -src chromeos_15964.59.0_fizz_recovery_stable-channel_mp-v17.bin -dst /mnt/chromeos/chromeos.img -s サイズ[GB]

chromeos_15964.59.0_fizz_recovery_stable-channel_mp-v17.bin を rammus_recovery.bin にリネームしていれば rammus_recovery.bin に置き換えてください。

サイズ[GB]にはインストール先となるパーティションのサイズより少し小さい値をGBを単位として指定します。すでにcgptとpvがインストールされてる場合にはapt-getのコマンドラインは不要です。

これで、/mnt/chromeos/chromeos.imgにChromeOSのディスクイメージが書き込まれます。

以下、ChromeOSを実際にインストールしている様子を掲載しました。




後は、インストールが終了するのを待つだけです。

インストールが終わると、メッセージの最後の方に、grub menuentryの記述があるので、コピーして grub.cfg 追加します。

*************** grub menuentry ***************


以下省略


このファイルは、GRUBのメニューエントリに Chrome OSを追加するための設定ファイルです。

これらを、MX Linuxやlinuxmintを起動させている、grub.cfg に追加すれば、ChromeOSとMX Linuxマルチブートの完成です。

ブート設定


PCのBIOS/UEFIの設定を変更し、作成したメディアから起動するように設定します。

初期設定


ChromeOSが起動したら、画面の指示に従って初期設定を完了させます。







写真のPCがFujitsuになったりNECになってりしていますが、実は両方でChromeOSを楽しんでいます。

Fujitsu のChromeOSのイメージは fizz NECの方は rammus です。

僕がChromeOSをインストールしたUSBメディアです。

コンピュータに挿しっぱなしで使っています。



もし、少しお金がかけられるなら外付けの小さなSSDがお勧めです。



USBメモリにインストールしたChromeOSを丸ごとバックアップする方法


ChromeOSをUSBメモリにインストールした後、その環境をバックアップすることも重要です。

以下の手順でバックアップを行います。

1. USBメモリをPCに接続: バックアップを行うPCにUSBメモリを接続します。

2. バックアップツールの準備: 専用のバックアップツールを使用しても良いですが、僕はPuppyLinuxを使いました。

3. バックアップの実行: chromeos.img をコピーするだけです。

4. バックアップの確認: 作成したバックアップファイルが正しく保存されているか確認します。

この手順により、万が一のトラブルに備えてChromeOSの環境を安全にバックアップできます。

では、少し詳しく解説していきましょう。

僕は、USBメモリにパーティションを作成し、ChromeOSをインストールしました。

そのパーティションをみてみると




ここで、必要なものは chromeos.img だけです。

これを、バックアップしたいメディアにコピーします。
次に、ブート設定を行います。: PCのBIOS/UEFIの設定を変更し、作成したメディアから起動するように設定します。

UEFIのChromeOSを起動させるためのスクリプトは下記のようになっています。

menuentry "ChromeOS 130" --class "brunch" {
rmmod tpm
img_path=/chromeos.img
img_uuid=7f4a68b9-04
search --no-floppy --set=root --file $img_path
loopback loop $img_path
source (loop,12)/efi/boot/settings.cfg
if [ -z $verbose ] -o [ $verbose -eq 0 ]; then
linux (loop,7)$kernel boot=local noresume noswap loglevel=7 options=$options chromeos_bootsplash=$chromeos_bootsplash $cmdline_params \
cros_secure cros_debug img_uuid=$img_uuid img_path=$img_path \
console= vt.global_cursor_default=0 brunch_bootsplash=$brunch_bootsplash quiet
else
linux (loop,7)$kernel boot=local noresume noswap loglevel=7 options=$options chromeos_bootsplash=$chromeos_bootsplash $cmdline_params \
cros_secure cros_debug img_uuid=$img_uuid img_path=$img_path
fi
initrd (loop,7)/lib/firmware/amd-ucode.img (loop,7)/lib/firmware/intel-ucode.img (loop,7)/initramfs.img
}


ここで、uuid などを、blkid などのコマンドで調べて、書き換えます。


blkid などのコマンドで uuid を調べる


ChromeOSを快適に使い続ける方法


ChromeOSを快適に利用するためには、以下のポイントに注意しましょう。

  • 定期的な更新: ChromeOSは自動更新機能があるため、常に最新の状態を保つことが重要です。
  • アプリの整理: 使用しないアプリは削除し、必要なアプリだけを残すことで、動作を軽快に保ちます。
  • クラウドストレージの活用: Google Driveなどのクラウドストレージを利用して、データのバックアップと共有を行います。
  • セキュリティ設定の確認: セキュリティ設定を定期的に確認し、必要に応じて強化します。

これらのポイントを押さえることで、ChromeOSをより快適に利用することができます。




サクッとまとめると


*まとめ
Windows10のサポート終了が迫る中、ChromeOSは非常に魅力的な選択肢として注目されています。

ChromeOSの軽快さやセキュリティの高さ、クラウドサービスとの親和性は、特にオンライン業務や教育現場での利用に最適です。

さらに、外部メディアへのインストールやバックアップ方法を知ることで、手持ちのPCをChromebookとして活用することが可能です。

今後のIT環境に備え、しっかりと準備を整え、快適なデジタルライフを手に入れましょう。



Citations:
[1] https://jp.store.asus.com/store/asusjp/html/pbPage.contents_Chrome_000008
[2] https://www.sojitz-ti.com/focusarea/column/citrix_daaschromebook/
[3] https://wehubworks.com/colum-knowledge/seo-html/
[4] https://www.topgate.co.jp/blog/google-service/8148
[5] https://www.cloudgate.jp/lineup/uno/chromebook
[6] https://white-link.com/sem-plus/html/
[7] https://www.dsk-cloud.com/blog/advantages-and-disadvantages-of-chrome-os
[8] https://support.google.com/chrome/a/answer/12103994?hl=ja
[9] https://www.geo-code.co.jp/seo/mag/htag-merit/
[10] https://pc.watch.impress.co.jp/docs/topic/feature/1431675.html
[11] https://g-apps.jp/chromebook/about-chromebook/